『フルハウス』2008年5月6日マチネ@東京グローブ座

フルハウス』2008年5月6日マチネ@東京グローブ座

見てきました。以下おそらくネタバレも込みつつ、感想をたらたら。
すっげーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー長いです。正直すみません。



えーと、クレジット一番目はしょうおんくん(ところでしょうおんて読めなかったよ・・・)だけれども、彼が演じるりあむは狂言回しだよね。現役であるりあむを触媒にして、せいや@風間とアンディ@米花くんとケムマキ@町田くんそれぞれがりあむの歳からずっと思い残していたことに決着をつける話、と言えるかと。

最初は生意気にも「・・・まぁこんなもんかなぁ」とかいう印象を持ったのだけれども、町田さんが出てきてからぐっとよくなった感。パンフインタヴュー担当の方の町田さんの評価(すなわち外野の評価)を目にしていて、それに少しばかり影響されていたかもしれないけれど・・・ケムマキは(結果的に)山荘の閉じた安寧を壊すキーマンであり、それはパンフで脚本・演出の村上さんも言っているように、他の三人とは何かしら違うこと・ものを求められる。町田さんはその違いを表現できていたと思う。

アンディが引きこもりだとはパンフを読むまで思い至らなかった(笑)、というか、舞台上の状況はもちろん把握していたけれど、引きこもりという表現をすれば、いっそ簡単すぎる枠にすとんと収められてしまうのだなと思ったりなんだり。

ケムマキは、本当のことを言って失敗してからずっと嘘を吐き続けてきた男。そうやって考えると純粋なんだろうね。だから純粋なままのりあむに腹を立てたのかもしれない。純粋で誠実だから、あそこまできちんと嘘を成立させて、アンディたちをだませたわけで。
せいやは一番普通というか、悲劇を体験していないのが、舞台上の人物としての悲劇なのかもね。どうすることも出来ず、歳だけとってきた苛立ちとあきらめが「27なんて・・・」とりあむに漏らすセリフから伺える。せいやには、りあむにとってのメールの相手、アンディやケムマキにとってのサクの死、それらに対応する縛り付けられるものすらなかったものね。しのぶだけか・・・。しのぶすらケムマキのものだったし。


端々に人間の優しさが感じられる脚本だった。ケムマキの嘘吐きに理由があったり、ササキさんがお金を返してきたり、少しずつ、至るところに優しさが。一番優しかったのはラストのMDの「ケームマキ、ケームマキ!」の合唱。演劇において若く純粋な心は残酷さであらわされることが多いけれど、そこではせいや・アンディ・ケムマキがすでに無くしてしまった優しさ(大人の計算が含まれた人付き合いとは違う、子供らしい友達の作り方)が描かれていて、思わずじーんとしてしまった。りあむがメル友をすぐに信じてしまえたのも、この優しさゆえだろう。



ここからは舞台世界の外も含めてつらつらと。
風間さんの演技がなぁー・・・。いつも通りすぎて、それが少しばかり懸念材料。村上さんにも"器用"と称されているし、いつも通り上手いんですよ。安定している。でも上手いだけになっちゃってるというか。最初のほうでりあむの演技を見破るところとか、後半でももう一箇所ぐらい「おおっ」と思う演技はあったけれど、それは私が「おおっ」とさせてほしいがために必死に探していたからかもしれない、と思ってしまうんです。もっと自然にぞくっとさせてほしいなーと。ちょっと要求が高いかな、でもそれぐらい、風間くんの演技には期待しているんです。
ここいらで著名かつ厳しい演出家さんの演出で難解な脚本に挑み、一皮向けてほしいかも。今まではつかさんぐらいだよね?(あ、えりさんも厳しいらしいけど・・・) バカのひとつ覚えのようですが、蜷川さんとか野田さんとか。でも蜷川さんの好みじゃないんだろうなぁ・・・(爆)
ああ、ササキさんとの電話がすごく良かった。りあむに対するせいやは自分が若くないってところを強く持っているようですが、ササキさんとの会話には「大人なんだから泣かないでよ」っていうセリフが出てくる。その矛盾した感じがよく演じられてた。
(そしてせいやはところどころで健ちゃんでした・笑)

町田さん! すごく良かった。次の舞台も観たいって思った。ケムマキは他の三人とは違い、ものすごく自覚的に動いている人で、劇中でも良人を演じていたりする。その落ち着いた雰囲気をきっちり演じてた。元気に叫ぶ、激情して叫ぶ、とにかく叫ぶ、という演じ方からまったく遠ざかった理性的な演技がとても好きでした。

米花さんは役が役だから。悪くなかったです。テンポがいいね。
しょうおんくんは一度吹き出してた(笑) ほんとに風間君と兄弟に見えた。サクと演じわけしていたし、気にならなかったということは上手いんじゃないかな。フリルエプロンは反則ー。マジでかわいかった。そりゃアンディだって興奮するわ。(笑)

ところどころに映像をはさんでくるのは、うーん。個人的に好みじゃないけれど。後半に差し掛かるにつれなじんできてたのでそこまで悪くは無かったかも。

後半、重要なセリフが時々聞き取れませんでした。主に風間くん以外の三人。そこは残念だったなぁ。意味合いがyesかnoかで変わっちゃうところがいくつかあったので・・・。
なんか人物ネタ多かったね。(笑) 面白いのもあったけどね、ちょっと多すぎかも・・・。
風間くんがブレイクダンスっぺー動きをするシーンがあり、それがものすごく綺麗で、ああやっぱりこの人もいっぱしにジャニーズなんだ、と思いました(ものすごく失礼)

また微妙な席運の悪さを発揮。二階席サイド、予想外に近くてよく見えたんですが、杉の木の下がちょうど死角!。・゚・(ノД`)・゚・。 『身毒丸』に続き、またしても重要な場所が死角!!!。・゚・(ノД`)・゚・。 周りの人に悪いなーと思いながら時々身を乗り出してしまいましたわ・・・逆サイドなら良かったのにねぇ。
周りのお客さんはそこまでアレじゃなかったけど、時々(ああそこで笑うんだ・・・そこで色めきたつんだ・・・)的なね。村上さんもところどころサービスしてたな。あんな優しい脚本書く人だもんな。
(そもそもそういう見方でなんにも悪くないわけで。自分えらそうにもほどがある。ごめんなさい。私も事実、かざまにきゅんーとした時だってあったしな。他人に迷惑かけなければいいんだよね。意味不明に騒がず。)

疑問。どうしてサクの日記が井戸にあったんだろう? 山荘にあった赤本がサクのならば、アンディが形見として一緒に持ってきたのか?? アンディはサクの代わりに東大を受けた? それとも、幽霊だったサクの力で井戸にもってきたのかなー。私としては前者の気がする・・・。(舞台から読み取れてないだけだったらすまん)



あー久しぶりにすっげー長く書いた。まとまっておらず、大変読みにくくてすみません。なんだか考えたい気分だったもんで。

ああーあしたからまた社会人だ。長い休みも終わりだよ。シクシク。
次はトニコン、そして第17捕虜収容所! 楽しみだ。第17〜はチケットあまっているようだし、もう一公演ぐらい増やそうかなぁ(しかし、ブイコンが来たら無理なのだが)