終わりに向かう足取りは軽く

『転々』見てきました@ワーナー・マイカル・シネマズ港北ニュータウン
時効警察」はきちんと見ていない私ですが(第一シリーズ時に日本にいなかったからだ)、R30で三木監督の話を聞いたり、予告で岸部一徳があまりにもフィーチャーされていたんで気になっていて。そしてなにより"散歩"がテーマだったから。散歩、とくに都内を散歩するの大好きなんです。就職活動中は帰り道に散歩するのを励みにして乗り切った感もあるぐらい(笑) きちんとグーグルマップであらかじめ周辺地図を用意して、自分が便利な路線の駅まで歩いたりしてた。

以下ネタバレもあるかもしれないので。

シーンごとに後を引かせずばっさり切り替わる感じがいいですね。物悲しさの次の瞬間にはシュールな笑いが来て、ぷっと笑っているうちにもう次のカット。でもおざなりになってるじゃなくて、私にとってはとてもリアルな感覚でした。いつまでも同じことにグダグダできないタイプなんで、あんなもんだよなーって。
フミヤはずっと福島さんの手の上で転がされていたようなもんだけれど、福島さんはそんなフミヤがかわいかったんだろうな。冷静な福島さんはフミヤのように泣きはしなかったけれど、きっとフミヤと同じように、擬似親子の関係をいとおしく過ごしていたに違いない。
あっさり去っていってしまう福島さんの後ろ姿が飄々としていて、あっけない幕切れだった。観ているこっちはフミヤと同じことしかわからないままだったんだよね。なぜ福島さんが殺してしまったのかも、これから福島さんがどうなるのかも、福島さんの奥さんはどうなってしまうのかも、全然わからないまま。でもひとの人生を覗くってそんなものなのだろう。そこもリアル。