観たもんがいろいろ

最近は毎週末ライブやら観劇やら行っていて思い出だけは溜まっていくのですが、考える時間もなく消費していく状態です。パンフレットも買って満足して読まずに放置・・・。
先週はお松&鈴木杏ちゃんの『SISTERS』、The BIRTHDAYTHE BACK HORNの対バン。今日はこれからスカパラ&スィンギンバッパーズ対バン、明日はKinki。財政状況は依然として、ヤバいっす。
一応感想を簡単に書いておこうかな。ネタバレしますー

『SISTERS』、女の業や男女の業を描く時、"孕む"ことを主題にする作品て多いなあ、とぼんやり思ったのがひとつ。私の当たりが良い(?)のか、ここのところそーいった作品を良く観るので・・・。
ざっくり言うと性的虐待のトラウマに関する話で、それ相応にエグい話ではありました。エグいとはいっても直接的な描写がどうこうではなくて、女性を被害者と捕らえるところから逸脱しているから。教育委員会が観たら倫理的問題で訴えそうな、なんかそんな感じ・・・。個人的に『双方が同意するロリコン恋愛は可能か?』ということをレポートで書いたことがあるのですが(結論出ませんでしたが)、まさにその部分が密接に関わってきたので面白かった。


美鳥と父親の結論を突き詰めようとする馨は、始めは自分と同じトラウマから美鳥を救ってあげようと、そして救えなかった妹の代わりに美鳥を救おうとしているように見えるわけです。
しかし最後には、「お父さん、なんで私じゃないの?」と泣き叫ぶ馨の言葉で、"父親は妹を選び、自分が選ばれなかったこと"もトラウマのひとつであったと暴かれて。彼女の真意が違うものになる。あの転換にはびっくりした。
父親と娘の恋愛が可能かどうか、一般論と個人の実践は隔たるわけで、可能性は低いがゼロとは言えない。すべては可能性の話になってしまうわけですが。一方ですりこみ現象やストックホルム症候群的な捉え方も示唆する。どちらかは観た人にゆだねる演出は、私には相性が良かったです。

演出がとっても綺麗でした。白い洗濯物がぱーっとひるがえる演出。杏ちゃんの真っ赤なワンピース。水が染み出してくる演出。そのうち舞台が水溜りになり、美鳥親子が水に浸って息絶えるそばにまんじゅしゃげが流れてくるラストは本当に綺麗でした。
でも洗濯物はなんでなのか、考え中。


「あったことを、なかったように言うのは、難しいのよ。」トラウマの舞台にとって象徴的な言葉でした。