NODA・MAP『パイパー』

見てきました。
NODA MAP

ネタバレするやもしないやも、な感想。


大当たり! でしたー。観てよかった〜。

とりあえず難しいことを考えなくても観ているだけで「おおーっ!」っていう壮大さがあり、でもそれだけじゃない。見ための芸術性と観念性の両方がいいバランスで存在してた。
お芝居は好きでちょくちょく観ているけれど、ふーんて感心して終わってばかり。そんな私にも、この『パイパー』は(表層だけなら)割と分かりやすいお話でした。分かりやすくアンチテーゼの対象が提示されていた気がする。

舞台はもろSF。移住する対象として開拓され、やがて荒廃していった火星に住む人々がその歴史を紐解いていく物語。私たちと同じ目線の、"何も知らない"登場人物がいるから、分かりやすかったのかも。


宮沢りえっていい役者さんですね! あの細い体から迫力のあるセリフがぽんぽん飛び出てぞくっとしちゃいました。演技が変わった瞬間の切り替えにも圧倒された。橋爪功はさすが。豹変した後の下卑た感じがなんとも気持ち悪くて矮小で、あっぱれ。大倉孝ニさんもころころ変わる表情が良かったです。松たか子も、宮沢りえの前で多少霞んじゃった感はありますが、カマトトぶっててその実ちょっと観念おかしい、みたいな感じが上手かったー。サトエリの胸を上から思う存分見下ろして*1眼福。北村ゆきやさんは、ごめんなさい、なぜかはかまだよしひこさんだとずっと思ってた(・・・)。北村さん好きなんですけどね、誰が何役か把握せず観に行ったもんで・・・。パイパー役のコンドルズは、これ以上の使い方が見つからないぐらいハマってた。あの面白い動き!

舞台美術がまた凄くって、ちょっと感動した。タイミングばっちりの動きとか、動的な身体性が無理なくハマっている演出*2が凄く良かった。野田さんの舞台、相性いいかも。


あ、どこやのダイアリで"ゲスト役者が野田演劇の言葉を掴めた/掴めない"みたいな感想が載ってたんですが、あるシーンで、あああれが野田の言葉ってこと? って思いました。言葉のたたみかけで動きを表現するの、面白いなー。私、初野田芝居だったんで。


て感じで、お粗末感想・・・っていうか防備録、でした。
やー、新年一発目の舞台が当たりだったので気分がいいです。

次は、とりあえずムサシのチケットをなんとかして(とれるかな・・・)、『春琴』の再演をどうしようか迷い中。初演すごくよかったんで、もう一回観たいんだけど・・・うーん。『夜の来訪者』も気になってます。お金ばっかり出ていくよ〜でも楽しいよ〜。

*1:コクーンシートだったので

*2:無理にダンスはめ込んでる舞台とか、ちょっと辛いですよね。