「美というものは、こんなにも美しくないものなのか」(金閣寺感想)

金閣寺』舞台の感想にもならない感想。
っていうか愚痴。友好的なことは何も言いません。

金閣寺-The Temple Of The Golden Pavilion- 2/5(日)マチネ@赤坂アクトシアター









海外凱旋公演てことで再演も観に行ってきました。
初演時も手放しで好きなわけではなかったですけど、森田剛の溝口は素晴らしかったし・・・と。

結論から言うと、やっぱり今回も演出が苦手というか、反りが合わなくて、眠かった(爆)



ニューヨーク公演でそこそこ好評を得たようですが、それもそうだよなぁ…て感じに表現の仕方が肉体的というか。何かっちゅうと人がうごめいたり、金閣寺の表象としてホーミーを歌う男性(役としては金閣寺のてっぺんにいる鳳凰)が出てきたり。

あー、象徴がわかりやすく「象徴そのもの」で描かれてんのか(と今書きながら思った)

宮本亜門氏の演出舞台を他に観てないのでこういうふうに言ってしまうのはよくないのですが、演出家との反りが合わないってこういうことなのかな。同じく三島もほとんど読んでないのですが、三島の文学も肉体的と言われているな。どっちと合わないのかはわからん。

一番納得いかない演出残念ポイントは、溝口が初めて金閣寺を目にする瞬間の、「チーン…」とのど自慢の一つ鐘のような音を鳴らしながらスポットライトが小さくなっていく演出でした。あれはないよ…。ドラえもんじゃないんだから…。
ああやって簡潔に説明できるような衝撃ではないと思うんだよね、現実の金閣寺を見た溝口の憤りって。


以前見たNODAMAPの『パイパー』(http://www.nodamap.com/productions/piper/)はコンドルズが出ててもとてもおもしろかったし、身体表現が加わる舞台が嫌いなわけではないのだけど、どーしてもこの宮本版金閣寺は苦手なんですよね…精神世界をそのまま肉体的表現で置き換える演出手法ってちょっと苦手なのかも。個人的には頭でっかちな演出が好きだから、言葉は言葉で高めて欲しいし。

寝そうになると思ってしっかり睡眠取っていったのに、一幕も二幕も途方もなく眠かったす(笑)


あと、ACTシアター寒すぎ、ありえないぐらい寒い。
見やすいけど初演のKAATより広くて、金閣寺に関してはKAATぐらい狭いほうがいいなーと思った。広い分、エネルギーが拡散してしまった感じがある。


幕間に買いそびれてた『ロッキー・ホラー・ショー』(http://www.parco-play.com/web/play/RHS/)のチケット売ってて、12列目サブセンターというなかなかのお席が残っていたので憂さ晴らしに買ってしまった。チケット貧乏に終わり無し。あーロッキーホラーショー楽しみ〜〜。残業ありませんように☆すいませ〜んっつって出るけどな!



森田剛を始めとした役者はとてもよかったです。剛の芝居って不思議で、まさに溝口そのものなのに強烈に森田剛でもある。あれは唯一無二の溝口で、今や他の人がやる溝口が想像できないもの。

剛にははやく次の舞台が決まって欲しいな〜。