『サロメ』10/24(土)ソワレ@東京グローブ座

堪能〜。
http://www.duncan.co.jp/web/stage/salome/



今回はいろいろと出遅れて主催者優先も使えず、行く二週間ばかし前に買ったにもかかわらずM列一桁台=サイド席で、単純な距離は六列目相当ぐらいの近さで見ることが出来た。その近さから篠井さんの美しさを堪能。ただ今回は舞踊があったので、正面から見たかったなーと思う瞬間も多々ありました。


幼い無垢な恋によってかりたてられる、意識だけで制御しきれない感情のグロテスクさ。「おまえのくちにくちづけするよ」と自ら繰り返す言葉に支配された、<あの人の首がほしい>という願いを叶える残酷さ。


サロメの舞いに篠井さんの日本舞踊を持ってきたのは、事前予習を全くしていなかった分とても驚きました。これがもう絶品!!! 一度、篠井さんの踊りを見てみたいなーと思っていたので、それも叶えられて嬉しい。現代舞踏の森山さんが出ていらっしゃったので、二人の踊りの対比も面白かったです。修験者(=ヨハネ)の聖的なものを含んだ気味悪さとか異形性も、その肉体によって見事に現されているなーと思いました。


篠井さんが演じる姫がうら若き乙女そのもの。ふわふわ浮いついた感じと、同時に大人が思っているよりかは周りの視線の意味を理解している小ざかしさとを併せ持つ、年頃の乙女そのものだった。



欲望と言う名の電車、サド侯爵夫人、サロメと現代女形シリーズ三部作、そしてそのきっかけともなったトーチソング・トリロジーをすべて見れたのは幸運だったなぁ。どれも大変に満足のいく作品で、単純に「ああーいいお芝居観たぁ!」って満足感もあり、そしてそれだけではないもの、パンフレットでスズカツさんで語られるところの"ずれ"みたいなものが残る。

端的に、どうして篠井さんがあそこまで美しく見えるのか? とかね。彼は女性であって女性ではないわけで、全身全霊でもって意識的に作られた"幻の女性"だからこそ美しいのかもしれない。



これで現代女形シリーズは一旦終了だそうですが、早く次の作品が観たいです。