そこで血は立ったまま眠っている

『血は立ったまま眠っている』2/7(日)ソワレ@シアターコクーン
感想がかけるほど消化できてないのだけれど、とりとめもなく。







覆せない境遇への絶望、その絶望がもたらす悲劇、人が隠し持つゆがんだ性癖、とにかく汚くて猥雑で下世話で不条理で弱肉強食、奇麗事の存在しないアンチテーゼの世界。観た後どっと疲れが押し寄せる、悲しいエネルギーが渦巻く芝居。
出身校の関係もあって*1、数本といえどこの歳にしては多くアングラ芝居を観劇しているので、あの舞台は私にとって"懐かしい"ものでもあった。あの世界をシアターコクーンで体験したことが不思議。


終幕に舞台の後ろテントが開いて主人公達が消えていく演出は、芝居という異世界の人物が、ひと時の狭間私たちの前に現れて引っかき傷を作ったあと、また彼等の世界へ帰っていくような印象をいつも受けるんです。今回もしかり。これは過去に見た唐の芝居にいくつもあったので、定番なのかなと思っている*2のですが、始まりでもその演出だったのはびっくりしました。そして、「きたきた〜!」て感じでもありました。
その直後にがーっとセットが運びこまれネオンが降りてきてセットが出来上がる演出も圧巻でした。


戯曲を読み始めたのですが、セリフがほとんど書かれたままの言葉だったことに気づく。同時に、書かれた言葉に魂を込めることのすごさにも初めて気がついた。役者ってすごい・・・。
良の、「なんだ、「ぼくの海」か。・・・・・・僕はみんなの海が見たいんです。」って台詞が印象的でした。



終盤に向けての良の揺れ動きがなかなか、難しい。消化できない。




剛の身体的特長(端的に言うと小ささ)も、幼さと頼りなさを残した弟像に合っていたなと思います。




断片すぎますが、とりあえず。


それにしても、人間(というか私達)てどうしてこう、観念的なものに惹かれるんだろうなぁ。永遠に解らないだろうけど。

*1:私が学生時代、うちの大学では唐十郎が教授をやっていた。授業も受けたことがある。←半分ぐらい休校だったけど

*2:これがイコールアングラ芝居の定番、なのかは知りませんが、あの辺てみんなお仲間みたいなもんだったんだよね?