二重螺旋構図@いまさら「アリバイのない天使」感想

「アリバイのない天使」@東京グローブ座。2010年7月6日ソワレ

二重の意味でハラハラする舞台なんて、そんなにないぞ。


もう2ヶ月も前で記憶薄れてるんですけど、偏屈な坂本ヲタとして書き留めておきたいので。失礼なことぶっちゃけてますのでそれを承知してくださる方だけお願いしますです。




序盤で、アリバイ屋さん仕事の練習を見ながらハラハラする場面があるんだけど、それは劇中の西村というより・・・坂本さんにハラハラしてるんだよね。「坂本さん、そんな修羅場上手くこなせるかしら!?」って。じーつーさんが、"坂本さんがそのまま演じてくれればもうコメディになるようになってます"的なことを言っている*1んだけど、まさになんですよ。


・・・はっきり言っちゃいますよ。アリバイ屋さん側と西村の世界はわかりやすくきっぱり分かれていて、その境目(差)はつまり"演技力"だったと、私は感じました。もっときちんとかつ語弊の少ない言葉を捜すと、ストレートプレイで自然な芝居する演技力、といえばいいのか。
普通の人間である西村があそこの世界で浮いてしまう、その浮いた雰囲気を出してるのが演技力の差(もしくは演技志向の違い)なんだから・・・じーつーさん、相当あくどいなとそこで思った(苦笑)(もちろん悪い意味だけではなく。)この違いがここまではっきり見えるのはすごい。これ狙って配役してるに決まってるよね。そういう意味ではほぼ当て書きなのかも・・・G2さんほんとあくどいなー、と、盲目なファンなら笑えないところで笑う私(まあ、そもそも盲目ならこういう認識に行き着かないか。)



だから、最大のヤマ場で手に汗握るアリバイ屋さんの仕事も、西村とそれを演じる坂本さんに二重のドキドキ(不安)を感じている不思議な感覚。芝居として純粋に楽しいかというと疑問だけど、不謹慎な坂本ファンなゆえに楽しめるという不埒な構図。この舞台のカラクリを理解して楽しむ坂本ヲタって一部だと思うよ*2。ただ、主演とそのファンに有益な舞台かどうかは謎。(笑)
観に行ってよかったし楽しかったけど、じーつーさんが言うほどリピートしたい内容ではなかったなー。さほど難しくないし、あそこまで「どんでん返しあります!」と宣言していれば自ずと注意深く疑り深く観るもんですし。・・・そのわりに気づかなかったけど(笑)



共演者さんは、風間はしっかりあっち側で、やっぱ上手いなぁと思いました。女装も楽しかったし・・・あ、その点は風間ヲタにとってオイシイ舞台だったのかも・(笑) 私ももっと近くで観たかったもんなー*3 あいかみれさんが肝っ玉姉さんぷりすごくよかった。西村との犬猿の仲もおもしろかったし。ほか主要メンバーもそれぞれ芸達者でよかったです。



と、重箱の隅をつつくような感想(?)をこっそりあげておきます。

*1:じーつープロデュースの特集記事を参照

*2:まあこれが「真のカラクリ」なのかは誰にも断言できないんだけど

*3:二階A列上手よりから観てました